熊本バレエ研究所創立60周年
熊本バレエ劇場35年記念《特別公演》
P.I.チャイコフスキー プロローグ付全三幕
眠 れ る 森 の 美 女
-中国・上海市舞蹈学校を迎えて-
■とき 2010年8月21日(土)・22日(日)
■ところ 熊本県立劇場<演劇ホール>
熊本バレエ研究所が《熊本バレエ劇場》の名を冠した公演をスタートして今年で早や35年。
熊本バレエ研究所創立60周年・熊本バレエ劇場35年記念行事の一環としてかねてより親交のある中国・上海市舞蹈学校の協力を得て、1995年、2000年、2005年に続き2010年に実施の記念公演です。
演奏は熊本バレエ劇場のよきパートナーである熊本ユースシンフォニーオーケストラ。
バレエ「眠れる森の美女は」フランスのシャルル・ペローの昔話を題材に、1890年ロシア・ペテルブルグのマリンスキー劇場で初演されました。
今では原型となるプチパ版に様々な新演出が試みられ、各国で上演されています。
日本では1952年に小牧正英バレエ団が初演していますが、熊本バレエ劇場では1995年に発表の石井清子による再振付を「熊本バレエ劇場版」として上演しています。
《熊本バレエ劇場》は、これからもバレエ「眠れる森の美女」のように、夢と希望を体現していきます。
>>パンフレット(PDFファイル)
■芸術監督:伴 征子
■振付:石井 清子
■指揮:福田 隆
■演奏:熊本ユースシンフォニーオーケストラ
■主催:熊本バレエ劇場
■共催:(財)熊本県立劇場・熊本県文化協会
■友好親善協力:中国・上海市舞蹈学校
■助成:公益信託 くまもと21ファンド
■協力:熊本労音、特定非営利活動法人熊本県子ども劇場連絡会
■後援:熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、(社)日本バレエ協会、熊本日日新聞・NHK熊本放送局、RKK、TKU、KKT、KAB、FMK、FM791
プロローグ <命名式>
フロレスタン国王と王妃は、オーロラ姫の命名式に名付け親として妖精たちを招待します。招待名簿のとおり6人の妖精たちが駆けつけ、次々に「優しさ」「元気」「おうよう」「快活」「勇気」「愛」と幸福な人生を送るのに大事な気立てをプレゼントします。ところが、その招待に漏れてしまった悪の精カラボスが現れ、自分だけがないがしろされたことに怒り、糸紡ぎ針を差し出し「いつの日かオーロラ姫の指にこの針が刺さり死んでしまうだろう」と恐ろしい運命を予告します。
王、妃、カンタルピュット、それに妖精たちも許しを乞いますが、カラボスはますます荒れ狂います。そこへリラの精が進み出て「姫は死ぬのではなく、百年の眠りにつき、勇気ある王子が現れ、その王子の口づけによって目を覚ますことになるでしょう」と約束します。カラボスは、呪いの言葉を残して去って行きます。
第一幕 <呪文>
オーロラ姫の16歳の誕生日、宮殿の中庭ではお祝いに集まった村娘たちがワルツを踊り、たいそう賑やかです。
遠い国から4人の王子がお見合いにやって来たところにオーロラ姫が登場します。4人の求婚者は求愛のばらの花を捧げながら踊ります。
そこへ老婆が現れ、オーロラ姫に綺麗な花束を贈ります。オーロラ姫はその花束を持って嬉しそうに踊っているうちに、花束に仕込まれていた糸紡ぎ針に指を刺し、その場へ倒れてしまいます。正体を現したカラボスは不気味に笑って去って行きます。
王と王妃が嘆くなか、リラの精が現れ「姫はただ眠っているだけで、やがて目覚める日がくるでしょう」と言って一同を安心させ、王妃や4人の王子たちをうながして倒れているオーロラ姫を宮殿の中へ運ばせます。
リラの精は魔法の棒を振り、まわりを深い眠りにつかせ、宮殿は眠りの森に包まれてしまいます。
第二幕 <幻影>
-100年の歳月が流れました-
ある秋の日、狩りを楽しんでいたデジレ王子は、出発の合図の角笛をよそに木々の梢を渡っていく風の音に聞き惚れています。狩りの一行から一人離れ森の中にたたずむ王子は夢に見る理想の愛に一人思いを巡らします。
そこへリラの精が現れ、王子にオーロラ姫の幻影を見せます。それを見た王子はぜひその姫に会わせてほしいとたのみます。そして王子はどんな危険をおかしてもカラボスの呪いから姫を救い出そうと決心します。リラの精は真珠貝の小舟がおいてある川べりへと王子を案内し、二人はそれに乗って眠りの森の宮殿へ向かって旅立ちます。
長い船旅のあと王子は宮殿にひそむカラボスや妖怪どもと勇敢に戦い倒します。デジレ王子がオーロラ姫の眠る寝台へとたどりつき、オーロラ姫に口づけをすると、どこからか一筋の光が差し込み、姫や森の中のすべてのものが百年の眠りから目覚めます。
第三幕 <結婚式>
貴族たちがポロネーズの音楽に合わせて入場して来ます。そして大勢のおとぎ話の主人公たちがデジレ王子とオーロラ姫の婚礼の宴に集います。
まず、金、銀、サファイヤ、ダイヤモンドの精たちがきらびやかな「宝石の踊り」を披露して富を贈ります。長靴をはいた猫と白い牝猫が夫婦円満の様子をコミカルに踊り、つづいて塔の中に長い間幽閉されていたフロリナ王女を青い鳥が救い出すという「愛」を意味する「フロリナ王女と青い鳥」のパ・ド・ドゥ。「赤ずきん」は用心深さをプレゼント、そして「シンデレラ」が続きます。
おしまいはオーロラ姫とデジレ王子の優雅なグラン・パ・ド・ドゥ。愛の妖精リラの精も現れ、至福の二人を祝福してめでたく幕となります。